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    <title>スクラップ帳</title>
    <description>村役場に保管されているかもしれない。</description>
    <link>http://couch.blog.shinobi.jp/</link>
    <language>ja</language>
    <copyright>Copyright (C) NINJATOOLS ALL RIGHTS RESERVED.</copyright>

    <item>
      <title>ここみん迷宮4</title>
      <description>　二十分もしない内に、私は家に戻りました。コストパフォーマンスの悪いプラスチックケースに包まれた食品と、1.5リットルのペットボトルを携えて。&lt;br /&gt;
　そうしてすぐに新たな問題点に気付きます。&lt;br /&gt;
　気付きましたが、まずは空腹を満たすのが先なので、暖めてもらったお弁当のラッピングを解き、口に運びながら、店員の物珍しげな視線が嫌だったなとか、もっと買い込んでおくべきだったかなどという後悔に余念を逸らします。相変わらず世界というやつは、後悔の浴槽に浸ったまま乾く気配もないのです。&lt;br /&gt;
　問題点は単純なものでした。&lt;br /&gt;
　この家が、この部屋だけで構成されている以上、生活に支障を来す不便さが生じるのは疑う余地もありません。&lt;br /&gt;
　差し迫っているものとしては、トイレと、バスルーム。&lt;br /&gt;
　人は新陳代謝を繰り返して生きています。時が流れれば、同じ分だけ古くなった細胞が捨てられていくのです。いわば人は毎日、自分自身と別れ続けているようなもの。……だとすれば取り残されるのは、新しく生まれる細胞の方？&lt;br /&gt;
　栄養を摂取したことで余裕のできた頭は、早くも現実を逃避する横道を歩き始めています。行き止まりなのは分かっていても。&lt;br /&gt;
　トイレに関してはコンビニにあるでしょうし、他の所にも探せば見つかるでしょう。けれど浴室は望み薄です。銭湯なんてものがこの村にあるかは怪しいし、あったところでとても利用する気にはなれません。私は今日、外に出たばかりなのですから。&lt;br /&gt;
　食事を摂っただけで、もうくたくたでした。考えることが多すぎて、何から手を付けていいのか分かりません。身体は自然とベッドに向かい、休息を取る姿勢になっていました。&lt;br /&gt;
　仰向けに横たわりながら、天井の質感が変わっていることに気が付きます。私の部屋のものは何一つ変わっていないのに、家を構成する素材はまるっきり別のものへと変貌を遂げているようでした。&lt;br /&gt;
　まるでこの部屋がひとつの生き物になって、私はその体内で暮らしている寄生虫みたいなものじゃないか、と、面白くもない比喩を考えて、気味の悪さに身を縮ませます。本当にそうではないと否定できる理屈が、どこにも見当たらないせいでした。&lt;br /&gt;
　本当はもっと足繁く、隅々まで村を散策するべきなのでしょうが、今の私は生まれたての小鹿よりも歩く力がありません。長らく使われていない筋力は精神とともに退化し、失われるのです。そして一度失ったなら、取り戻すには並大抵の努力では適わない。&lt;br /&gt;
　努力も力の一種ですから、努力の筋力が衰えてしまっている私には、もう成す術がないのです。そんなものがもし備わっているとしたら、こんな境遇に陥ってなどいないに違いないのですから。&lt;br /&gt;
　考えれば考えるほど無為な思索を続けてしまいそうなので、私は本棚から適当に文庫本を一冊引き抜き、活字を追うことでマイナス思考からの脱却を試みました。</description> 
      <link>http://couch.blog.shinobi.jp/%E6%9C%AA%E9%81%B8%E6%8A%9E/%E3%81%93%E3%81%93%E3%81%BF%E3%82%93%E8%BF%B7%E5%AE%AE4</link> 
    </item>
    <item>
      <title>ここみん迷宮3</title>
      <description>　おしまいにしたくても人生は続きます。&lt;br /&gt;
　誰しもご存じの事と思いますが、物事には順序や段階というものがあります。誰も暖めない卵がひとりでに孵って雛になり餌をとり成長し鳥になるといったプロセスはありませんし、何も放り込んでいない焚き火の中に焼き芋が転がっていたりもしません。&lt;br /&gt;
　私の両親は、そういった奇跡を信じているようです。無宗教の癖に、自分にとって都合のいいことだけは無条件で信じ込む。悪しき偏見に凝り固まった人種には、嫌悪感を覚えます。&lt;br /&gt;
　手紙からはいくつかの事が分かりました。&lt;br /&gt;
　まず、筆跡から手紙の書き手は母であるということ。&lt;br /&gt;
　ここはどうやら、ここみん村と呼ばれる地域であるということ。&lt;br /&gt;
　私の両親は大馬鹿者であるということ。&lt;br /&gt;
　重要なのは主に三つ目ですが、順序も段階も踏まえている私としては、まずは驚き、疑い、何度も手紙を読み返しては、嘆息の力を借りて現実を引き延ばします。&lt;br /&gt;
　突然みなしごになったからといって、ミツバチみたいにわんわん泣き喚いたり、親を探しに出かけたりなんかしません。だって彼らは私を見捨てたのだし、元より助けてなんてくれないのですから。&lt;br /&gt;
　こうなった以上、卑近な問題から片付けていくしかありません。解決できないような問題は取り組むこと自体に価値がないので、解決策のありそうなものから手をつけていくべきです。&lt;br /&gt;
　ともかく私は昨日から何も口にしていません。飢えと渇きが喉を締めつけて、唇もかさかさです。&lt;br /&gt;
　私は家に戻り、本棚を徹底的に調べました。J.D.Salingerの『倒錯の森』の間に挟まれていた茶封筒の中には、紙幣が数枚、威厳のある表情で佇んでいました。&lt;br /&gt;
　当面の生活費。&lt;br /&gt;
　当面って、いつまで？&lt;br /&gt;
　じわりと滲む疑問は捨てて、私は何年も前に編んだまま一度も着用していないニットキャップをタンスから取り出し、目深に被りました。風体の怪しさなんて気にしていられません。他人と正面から向き合って話すなんて恐ろしいことを、これからしなければならないのですから。&lt;br /&gt;
　目標地は、遠くに見えたコンビニエンスストア。長らく外を出歩かない生活をしていたせいで、いまいち距離感が掴めませんが、視認できるぐらいなのだからそう大した距離ではないはずです。&lt;br /&gt;
　陽射しの眩しさに目を細めながら、私は見知らぬ土地を散策し始めました。</description> 
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    </item>
    <item>
      <title>ここみん迷宮2</title>
      <description>&lt;br /&gt;
　この世には覚醒剤というものがあるが、いったい何に覚醒しているのかというと、現実からの覚醒を指しているので、いわば現実の中に夢を取り込むようなものだ。つまり私たちは、毎夜眠りに陥るたびに覚醒の予行練習をしているのです。さあ、貴方も早く覚醒しましょう。&lt;br /&gt;
　と、夢の中で誰かに云われました。&lt;br /&gt;
　それが誰なのかはまったく分からないのですけど、現実はそう簡単に覚醒できるものではないと思います。たとえ覚醒剤と呼ばれるものを用いたとしても、現実のしつこさときたら、並のストーカーじゃ務まりません。&lt;br /&gt;
　いくら微睡んでも空腹には抗えず、私は外に出ることにしました。固唾を呑んでドアを開けば、昨日と同じ景色。鳥の鳴き声と草木のざわめき。燦々と降り注ぐ太陽の煌めきが、紫外線をまとって私の薄い肌を焦がします。&lt;br /&gt;
　この非常時にUVケアなんて考えてはいられません。考えたところでその手のものは浴室にあったはず。浴室どころか私の部屋以外の全てが消え去ってしまった現状、防備できるのは服だけでした。&lt;br /&gt;
　ドアから一歩踏みだそうとした瞬間、足下に靴が揃えられていることに気付きました。昨日は確かに何もなかったはずなのに。&lt;br /&gt;
　靴のサイズはぴったりで、オーダーメイドでもしたのかというぐらい、履き心地が快適です。裸足で外を歩き回るはめにならなかったのは幸いですが、疑問は増えるばかり。&lt;br /&gt;
　外に出て振り返ってみると、思った通りに家の外観は大きく様変わりしていました。取って付けたような赤い屋根と、ベージュ色の外壁。なぜか煙突まで付いています。まるで絵本の中に出てくる、童話作家の描いた家のようでした。&lt;br /&gt;
　砂利を敷き詰めてある歩道をよろめきながら行くと、公道らしき路との境目に、背の低い真っ赤なポストが設置されているのが見えます。&lt;br /&gt;
　中を覗くと、一通の白い手紙。&lt;br /&gt;
　宛名も差出人も書いてありませんでしたが、少しでも情報が欲しい私は、躊躇なく手紙の封を切りました。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
『親愛なるキミサへ。&lt;br /&gt;
　私たちは疲れました。しばらく人生の休暇を取ります。キミサもそろそろ、一人で生きていくための準備を始めないといけないと思います。&lt;br /&gt;
　ここみん村は季候も良く、人口もあまり多くないので、人嫌いなキミサでもすぐに馴染めるでしょう。&lt;br /&gt;
　ここみん村の村長さんは、お父さんが昔とてもお世話になった方です。困ったことがあれば相談に乗ってくれるでしょうが、くれぐれも粗相のないように。&lt;br /&gt;
　当面の生活費は、本棚の間に挟んでおきました。それではまた、何かあれば連絡します。』&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　こうして私は、みなしごになったのでした。&lt;br /&gt;
　おしまい。</description> 
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    </item>
    <item>
      <title>ここみん迷宮</title>
      <description>　私はそんなに寝つきがいい方ではありません。それどころか、寝入るまでに何時間もかかることも稀ではないし、そのおかげで生活時間帯もずれにずれています。&lt;br /&gt;
　外に出ない生活をしていると、自然と不摂生になっていきますし、それが当たり前の状態になってしまうので、今日は具合が悪いなあ、と思うことさえなくなっていきます。だって、具合のいい日なんてないんだから。&lt;br /&gt;
　私は昨日も時計を気にしない一日を過ごし、時刻を確認しないままに床に就きました。睡眠時間だけは平均よりも長く摂るようにしています。なぜって、夢の中の方が、現実よりも快適だから。&lt;br /&gt;
　そして、目覚めた今日。私はなんともいえない違和感を覚えました。部屋の内装も、置かれている家具も、棚に収まっている本も、何から何まで昨日と同じなのに、どこか決定的に違うものがあると、直感が訴えているように思えたのです。&lt;br /&gt;
　真っ先に疑ったのが、身体の不調でした。&lt;br /&gt;
　たとえ毎日のように調子が悪いにしても、グラフが横ばいならばそれが平常です。だから私の身体がより一層、具合を悪くするための坂を下り始めたのであれば、その兆候を不穏なものとして察知してもおかしくはないな、と考えたのです。&lt;br /&gt;
　けれど違和感の正体は全くの別物でした。普段なら決して引く気になれない遮光カーテンの裾を掴み、隙間から外を覗いてみた私の目に飛び込んできたのは、鼠色のマーカーで塗りつぶしたような見慣れた町並みではなく、まるで見覚えのない、鮮やかな緑地が広がる山林風景だったのです。&lt;br /&gt;
　私はそっとカーテンを元に戻すと、その場にへたり込みました。安直に夢だと言い出すような真似はしません。夢ならば現実よりも快適なのですから、現状にはまったく当てはまりません。頬をつねるまでもないし、他にするべきことはいくつもあります。&lt;br /&gt;
　よろめきながら立ち上がり、ドアノブへもたれかかるように手を伸ばします。&lt;br /&gt;
　不本意ですが、家族に相談するしかありません。たとえ一月の会話時間が、電子レンジの使用時間よりも短い親子関係だとしても、こうした異常事態には互恵関係を築かざるを得ません。彼らの娘というだけでこんなにも骨身を削って生きているのですから、親として、正しい対応に腐心してもらうのは当然のことです。&lt;br /&gt;
　私はドアを開いた姿勢のまま、彫像のように凝固しました。&lt;br /&gt;
　視界に映りこんできた光景。&lt;br /&gt;
　それは、左右に伸びたフローリングと真っ白な突きあたりの壁ではなく、申しわけ程度に舗装された砂利道と、点在する電信柱。遠くには展望台らしき建築物や、コンビニエンスストア。人家らしきものも見えます。&lt;br /&gt;
　ざっと二十秒はそうしていたでしょうか。私はドアを閉じて、ベッドに横たわりました。&lt;br /&gt;
　私はそんなに寝つきがいい方ではありません。現実を夢だと信じるような馬鹿な真似はしませんが、現実が夢を否定するというのなら話は別です。もう一度夢を取り戻して、現実を否定し返してやるのです。でなければこの仕打ち、堪えられたものではありません。&lt;br /&gt;
　だから私は瞼を閉じて、好きな歌を口ずさんで時間をやり過ごしました。時間が夢を私に落とすまで、いつまでも。</description> 
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    </item>
    <item>
      <title>車椅子おじさん</title>
      <description>　帰宅途中のことだった。&lt;br /&gt;
　車椅子に乗った中年の男性が、コンビニの前で煙草をふかしているのを見かけた。膝元には大きな鞄を抱えている。&lt;br /&gt;
　アンバランスな光景に思えて、つい長く見つめてしまったらしい。男性が話しかけてきた。&lt;br /&gt;
「やぁ、君。ちょっといいかな」&lt;br /&gt;
「あ、はい」&lt;br /&gt;
「少し椅子を押してもらえないかな。あそこの展望台まで連れていってくれ」&lt;br /&gt;
　初対面なのに、妙になれなれしい口調ではあった。時間がないわけではなかったので、素直に頷く。&lt;br /&gt;
　展望台までは問題なく辿り着いたが、だんだんと傾斜がきつくなり、押すのが大変になってきた。&lt;br /&gt;
　すると、男性が唐突にすっくと立ち上がり、鞄を持ったまま平然と先を歩き始めた。&lt;br /&gt;
「え？」&lt;br /&gt;
「驚いたでしょう」&lt;br /&gt;
　男性は振り向くと、にやりと笑う。&lt;br /&gt;
「歩けるんですか」&lt;br /&gt;
「歩けるんですよ。至って健康です」&lt;br /&gt;
　男性はおどけた様子で、片足をあげてみせる。&lt;br /&gt;
　騙された、という気持ちよりも、なぜこんなことを、という疑問の方が大きかった。&lt;br /&gt;
「歩けるのに、どうしてこんなことを」&lt;br /&gt;
「乗りたかったんですよ」&lt;br /&gt;
「健常者でも、車椅子に乗れるんですか？」&lt;br /&gt;
「もともと資格なんていりませんからね。こいつは」と、車椅子のフレームを愛おしげに触り、「自作したんですよ。工作は得意ですから」&lt;br /&gt;
　僕はただ唖然とするしかない。男性は気にした様子もなく、車椅子を傾斜のない場所まで押していった。&lt;br /&gt;
「電動車椅子ってね、高いんですよ。何十万から何百万もするんです。レンタルなら安いですが、審査がありますからね」&lt;br /&gt;
「はあ」&lt;br /&gt;
　男性はふっと息を吐くと、背中を手すりに預け、妙に芝居がかったポーズを取った。&lt;br /&gt;
「車椅子に乗っていると、みんな私に優しくしてくれるんですよ」&lt;br /&gt;
「…………」&lt;br /&gt;
「優しい嘘は許される、って言うでしょう？　これがまさにそうです。私に優しい嘘。今まで辛い嘘ばかり吐いてきた私には、優しい嘘を吐く権利があるんです。そう思いませんか？」&lt;br /&gt;
　脈絡なく、身の上話が始まってしまった。&lt;br /&gt;
「えっと……よくわかりません。でも、なんでそれを僕に話すんです」&lt;br /&gt;
「そりゃあ、誰か一人ぐらい、本当のことを知っていて欲しいからです。互いに名前も連絡先も知らない、一期一会。私は旅行でここを訪れただけですし、もう二度と会うこともないでしょう。だからこそ話したんです」&lt;br /&gt;
　なんだかよく分からないけれど、あまり気分はよくなかった。それでも、この場で詮索してはいけないような気がした。&lt;br /&gt;
「どんな嘘でも、騙し通せば本物になる。そう思いませんか？」&lt;br /&gt;
「嘘は、嘘です」&lt;br /&gt;
「あなたにとってはね」&lt;br /&gt;
　僕は展望台を後にした。&lt;br /&gt;
　身の危険、と呼べるほど差し迫ったものではなかったかもしれない。それでもどこか危うげな気配が、男性からは漂っていた。&lt;br /&gt;
　でもきっと、二度と会うことはないのだろう。彼の言ったことが本当であるのなら。</description> 
      <link>http://couch.blog.shinobi.jp/%E3%81%93%E3%81%93%E3%81%BF%E3%82%93%E6%9D%91/%E8%BB%8A%E6%A4%85%E5%AD%90%E3%81%8A%E3%81%98%E3%81%95%E3%82%93</link> 
    </item>
    <item>
      <title>イヤの日</title>
      <description>『今日は、イヤの日です』&lt;br /&gt;
　朝の町内放送で、村長がそんなことを言っていた。カレンダーの日付を見ると、一月八日。&lt;br /&gt;
　なるほど、と思った僕は、ニジサンさんの耳掃除をしてあげることにした。&lt;br /&gt;
　始めの内はくすぐったがって触ることもできなかったけれど、最近では自分から耳かきを持ち出してくるようになった。&lt;br /&gt;
　あまりに頻繁に持ち出してくるので、よっぽど気持ちいいのかと思うのだけど、やりすぎても耳によくないので、耳かきを入れた引き出しには鍵をかけておくことにしている。&lt;br /&gt;
　ニジサンの頭を膝に乗せて、耳かきの先端を、小さな耳に差しこむ。使っているのは一般的な竹製の耳かきだけど、後端についている梵天がふわふわの羽毛でできていて、耳に当てるだけで気持ちいい。この柔らかさひとつ取っても、日本に生まれてよかったと思う。&lt;br /&gt;
　ほとんど垢もないのだけど、じっくり時間をかけてやらないと後で不満そうな顔になるので、なるべくゆっくりと作業する。こんな時のニジサンはいつも猫のように丸まって、終わるまで目を閉じている。&lt;br /&gt;
　ふいに、呼び鈴が鳴った。&lt;br /&gt;
　僕はそっと膝を上げながら、クッションを下に敷き、ニジサンの頭を慎重におろす。熟睡してしまっているのか、目を開ける様子もない。&lt;br /&gt;
　玄関のドアを開けると、友人の島村が沈痛な面持ちで立っていた。&lt;br /&gt;
「負けた……完膚無きまでに、負けた」&lt;br /&gt;
「負けた？」&lt;br /&gt;
「今日って、勝負事の日だろ」&lt;br /&gt;
「え、そうなの」&lt;br /&gt;
「今日こそいけると思ったんだよ……惜しかったなぁ」&lt;br /&gt;
　言いながら、何の断りもなしに靴を脱ぎ始める。よほど外が寒かったのか、頬が赤くなっている。&lt;br /&gt;
「ギャンブル？」&lt;br /&gt;
「ある意味では、そうだ」&lt;br /&gt;
　どかどかと遠慮なく上がり込んできた島村は、寝こけているニジサンを視野に入れると、声のトーンを抑えた。&lt;br /&gt;
「お茶くれ」&lt;br /&gt;
「勝手に飲め」&lt;br /&gt;
「頂こう」&lt;br /&gt;
　飲みさしの温いお茶をぐびぐびと飲み干すと、島村はふぅとため息を吐く。&lt;br /&gt;
「元旦にさ、おみくじ引いたじゃん？」&lt;br /&gt;
「引いたね」&lt;br /&gt;
「おまえら大吉だったじゃん？」&lt;br /&gt;
「だったね」&lt;br /&gt;
「俺だけ大凶だったじゃん？」&lt;br /&gt;
「だったね」&lt;br /&gt;
　テンポよく続いた会話がそこで止まり、島村は何かに堪えるようにぐぐぐとこぶしを握りしめた。&lt;br /&gt;
「許せんだろ」&lt;br /&gt;
「まぁ、過ぎたことだし」&lt;br /&gt;
「ダメだろ！　俺だけ仲間外れにもほどがある。同じおみくじでも天と地の差がある。同じ哺乳類なのに、人類とカモノハシぐらいの差がある。カモノハシっつったらおまえ、卵生むんだぞ。哺乳類のくせに」&lt;br /&gt;
　奴ら爪に毒もってやがるんだぜ、と島村はすでに話の方向性を見失いかけていたが、ニジサンが起きそうになったので、瞬時に口を閉ざした。&lt;br /&gt;
　十分に間をおいてから、いっそう小声で続けてくる。&lt;br /&gt;
「……で、だからだ。買いに行ってたんだよ。おみくじ。毎朝」&lt;br /&gt;
「ご苦労なことで」&lt;br /&gt;
「二日に凶、三日に末小吉、四日に末吉、五日に吉、六日に小吉、そして昨日、中吉！　俺は順調に最高なおみくじライフを過ごしていたんだ。だっていうのに――」&lt;br /&gt;
　すっと島村が差しだした掌には、くしゃくしゃになったおみくじがあった。&lt;br /&gt;
「また大凶ってどういうことだよ！　おかしいだろ」&lt;br /&gt;
　元旦から一週間も通いつめるなんて、神様もうんざりしただろうなあ、と思いながら、僕はお茶を入れ直す。&lt;br /&gt;
　あるいは、嬉しいから大吉を出さないようにしているのかもしれない。&lt;br /&gt;
　と、特に信心深いわけでもないけれど考えて、小さく笑った。</description> 
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    </item>
    <item>
      <title>村人A</title>
      <description>　この一年、いろんなことがありました。&lt;br /&gt;
「なかったよ」&lt;br /&gt;
　ありませんでした。わたしは何にもしてませんでした。呼吸と摂取と排泄と睡眠だけがわたしの恋人で、こんなにたくさんいればもう怖いものなしだなあと思うのですが、世の中そうもいかずに他の恋人を探しなさいと皆さんおっしゃいます。皆さんは欲張りすぎだと思います。&lt;br /&gt;
　もっとシンプルに、生きることの木訥さを味わうべきではないでしょうか。平熱を愛さない人は、余計に暑くなったり寒くなったり、何かと多忙で面倒くさそうです。くさそうというか実際そうです。熱を帯びた人も、熱が足りない人も、どちらにしても体力を多く消耗するだけでいいことがありません。&lt;br /&gt;
　ですからわたしのように、一年を丸腰で過ごす生活は理想的です。息をして、息を吐いて、寝ころんで、身じろいで、時には笑ったり、ふとして泣いてみたり、明るくなったり、暗くなったり。何もなくても、何もしなくても人生は人生で、価値が下がるなんてことはないのです。&lt;br /&gt;
「君は、もっと多くのことを求めていたことを忘れてる」&lt;br /&gt;
　何のことでしょう。これ以上、求めるものなんて何もありません。つまり、何もない今のわたしこそが、欲求の具現化を達成した証ではないでしょうか。&lt;br /&gt;
「何もないなんてことを、本気で信じてるの？」&lt;br /&gt;
　信じるもなにも、事実としてわたしには何もないじゃないですか。見て下さい、この部屋を。何事かに打ち込んだり、挫折したり、達成したり、悔やんだり、閃いたり、憤ったりした形跡が、ひとつとして、ありますか？　わたしはただこの白い部屋の白いベッドで小さくうずくまって、何にもとらわれず、何にもなれず、何にも感じ入ることなく、日々を過ごしてきたんです。&lt;br /&gt;
「だったらどうして、君はぼくと話している？」&lt;br /&gt;
　そんなことは決まっています。あなたが話しかけるからです。石や草じゃないんですから、アクションがあれば、リアクションがあるのは当たり前の話です。わたしはあなたの問いかけに対して、ただ誠実に答えているだけのことです。&lt;br /&gt;
「誠実？　笑わせるね。君はまるで誠実に答えちゃいない。心の井戸を覗いてみなよ。確かにそこには何もないように見えるかもしれない。それでも君はまだ、枯れきっちゃいない。忘れてもいない。かつての情熱を。かつての渇望を。あの頃の、どうしようもない日々をどうにかしたいと思いながら、どうにもならなかった、ただ闇雲に探し続けていた、救いの手の柔らかさを。そのイメージの、暖かさを。鮮明さを。脳裏に浮かんでは止むことのない、まぼろしの、輝かしさを！」&lt;br /&gt;
　オーバーな感情の表現は止めて下さい。わたしにそんな思い出はありません。そんな記憶をしまった引き出しはありません。ねえ、あなたは何者ですか。どうしてずっと、わたしにまとわりついてくるんですか。わたしが答えることにどうしていつもいつも、頷いてはくれないんですか。何の役にも立たないのに、何の力にもならないのに、何の手助けもしないのに、口だけは出してくるんですね。&lt;br /&gt;
「ぼくが何者かなんて、ぼくがどう名乗ったところで君が決めればいいことだし、ぼくがぼくをどう生かすかはぼくの勝手だし、君だってそうだろう？　勝手な間柄同士、人間は口を使って宣言し合うことで、現実における判断の指標を形作ってきたんだ。役に立たないと思うのならその通りだろうし、そうでない時はきっと、そうでない。聞きたくないのなら耳を塞げばない。答えたくないのなら口を噤めばいい。見たくないのなら目を閉ざせばいい。そうしないのはつまり、君がぼくの言葉に価値を認めているからだ。違うかい？」&lt;br /&gt;
　……違ってようと、違ってなかろうと、それはそれでやっぱり等価値なんです。わたしの人生に口出しするのはやめてくれませんか。今日はもう眠るんです。消えて下さい。&lt;br /&gt;
「言われなくとも、そうするよ。いや、そうするしかないんだから――」&lt;br /&gt;
　声は聞こえなくなりました。&lt;br /&gt;
　わたしの部屋の、扉の向こう側。そこから答える声はいつもこうして、わたしが寝る間に考え事をしているときに現れるのです。&lt;br /&gt;
　眠気が妨げられてしまったわたしは、ノートパソコンの電源を入れて、デスクトップにあるアイコンをクリックします。&lt;br /&gt;
　ただ平凡に、ただ平坦に、平熱のままで、何も特別なことが起こらない、わたしの村。</description> 
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    </item>
    <item>
      <title>ここみん研究所</title>
      <description>　彼は今日も熱心に、眠り心地のいい穴蔵で研究を続けている。&lt;br /&gt;
　研究内容は、助手の私にも知らされていない。&lt;br /&gt;
　それなのに助手が務まるのは、基本的に食事の調達と話し相手、それからたまに勝手に外へ出ていこうとするのを殴って止める役割を「助手」と呼んでいるに過ぎないからだ。&lt;br /&gt;
　ガラクタだらけの研究所を出ていけば、外は一面の銀世界。雪なんて冷たいだけだから、暖かい南国にでも住みたい。と、冬の間は思うけれど、夏になれば北国が恋しくなる。その時々で思うことも感じることも変わってしまう。人間ほど、心変わりの激しい生き物はそういない。&lt;br /&gt;
「人間以外の生き物を羨むのも蔑むのも、人間だけの特権なんだ」&lt;br /&gt;
　と、得意げに彼がつぶやいていたのを思い出す。&lt;br /&gt;
　彼はいつでも得意げだ。誰からも賞賛されていないのに、誰の心にも響いていないのに、何の役にも立たないのに、自信満々に歌いあげる。ただひとつの情熱さえあれば、後は何もいらないとでもいうように。&lt;br /&gt;
　村にある唯一のファストフード店に立ち寄ったが、ケーキはおろかチキンすらメニューになかった。私自身、クリスマスらしさを求めるほど無邪気な季節は過ぎたけれど、彼は「らしさ」をとても好む。正月には餅を食べたがるだろうし、二月の中旬にはチョコレートを欲しがるだろう。研究所に閉じこもっているのに、季節の変化には敏感なのだ。&lt;br /&gt;
　仕方なくショッピングモールまで足を伸ばして、セール中のクリスマスコーナーを一通り眺めた。カラフルなプラスチック容器に保護された食品は、食欲を減退させる効果があるように思える。赤い値引きのシールがべたべたと貼りつけられていれば、なおさらだ。&lt;br /&gt;
　綺麗なお皿に盛りつければ、見栄えも回復するでしょう。と、天気予報士になったつもりで唇を動かせて、私は研究所に常備されている食器類を頭の中で並べていく。皿まで買うとなると、経費で落ちるのかどうか。&lt;br /&gt;
　会計を済ませ、研究所に戻る道を歩いていると、兄妹のような男女が二人、熱心に大きな雪だるまを作っているのを見かけた。&lt;br /&gt;
　明らかに男の方が一回り年上で、女の子に付き合ってあげているのだろうな、と初めは思った。けれど立ち止まって眺めている内に、どうも二人とも競うようにして雪だるまを作り上げていることに気が付いた。&lt;br /&gt;
　微笑ましいなと思ったけれど、いびつな雪だるまの顔面部分が崩れ落ちて、中から人間の顔が露出したときには、思わず声をあげてしまった。&lt;br /&gt;
　雪だるまにされていた青年は、寒さを微塵も感じていないように、にやにやと笑みを浮かべ、雪で固められた身体を動かし始めた。&lt;br /&gt;
　いじめの現場というわけでもなさそうだ、と判断し、私は帰路に着く。&lt;br /&gt;
「所長、お食事です」&lt;br /&gt;
「お、ありがとう。ローストチキンにショートケーキ！　まさにクリスマスだね。ワインはないのかい？」&lt;br /&gt;
「買ってませんから」&lt;br /&gt;
「風情のないことだ」&lt;br /&gt;
　所内でのアルコールは禁止されている。まるで酒好きのように振る舞ってはいるが、実際のところ彼は、酒を口にしたことがあるのかどうかも怪しかった。&lt;br /&gt;
　私は、雪が積もっていることを伝えるかどうか、少し悩んだ。&lt;br /&gt;
　また外へ出ようとするのなら、話すべきではない。それでも、無邪気にクリスマスを満喫している所長の姿を見ていると、口にせずにはいられなかった。&lt;br /&gt;
「所長」&lt;br /&gt;
「なんだい。イチゴはあげないよ。断固として死守させていただく」&lt;br /&gt;
「外は、雪が降ってました」&lt;br /&gt;
「へえ」&lt;br /&gt;
　意外にも、彼の反応は淡泊だった。ケーキを口に頬張りながら、ノートに何事かを書き込んでいる。せっかくお皿を用意しても、手元を見ていないので、ぼろぼろと椅子の下へこぼしてしまっていた。彼に食事中のマナーを説くのは無駄なので、何も言わない。&lt;br /&gt;
　私は、自分用に買ってきたサンドイッチの包装を解き、メリークリスマス、と念じてから口に運んだ。</description> 
      <link>http://couch.blog.shinobi.jp/%E3%81%93%E3%81%93%E3%81%BF%E3%82%93%E6%9D%91/%E3%81%93%E3%81%93%E3%81%BF%E3%82%93%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80</link> 
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      <title>吉報</title>
      <description>　勤務先のここみんバーガーに着くや否や、店長が喜色満面の笑みで出迎えてくれた。&lt;br /&gt;
　あまりにもいい笑顔だったので、先日店長が居眠りしている時に、興味本位でひげを引っ張ったところ、何十本かぶちりと抜けてしまったことがバレたのたろうか、と不安になった。後で付け直しておいたのだけど。&lt;br /&gt;
「クビですか？」&lt;br /&gt;
「何、言ってるんだい。大変だぞ。すごいことが、起きた」&lt;br /&gt;
「すごいこと」&lt;br /&gt;
「村長が、帰ってきたんだ」&lt;br /&gt;
「え」&lt;br /&gt;
　僕は固まった。なぜ固まったのかというと、村長が不在であることを、今の瞬間まで知らなかったからだ。当たり前のように毎日を過ごし、なんの疑問もなく村を練り歩いていた。&lt;br /&gt;
　店長の話によると、何ヶ月も前から不在だったらしい。&lt;br /&gt;
「でも町内放送はやってましたよね」&lt;br /&gt;
「あれは、代理の人が、やっていたんだよ」&lt;br /&gt;
　代理の人なんていたのか。初めて知ることばかりだった。&lt;br /&gt;
「それと、これは、個人的なことなんだが」&lt;br /&gt;
「はい」&lt;br /&gt;
「以前、貸してあげた、昭和町に関する本が、あっただろう」&lt;br /&gt;
「ええ」&lt;br /&gt;
「あれを執筆した、私の従兄弟がな。見つかったんだよ」&lt;br /&gt;
「見つかった？」&lt;br /&gt;
「言ってなかったか。今まで彼は、行方不明になっていたんだ」&lt;br /&gt;
　またも初耳の話だった。店長の親戚が書いた本だということは聞いていたけれど、失踪していただなんて話は聞いていない。&lt;br /&gt;
　僕の薄い反応も気にならないのか、店長は終始、上機嫌だった。&lt;br /&gt;
「いいことは、重なるものだ。彼は、昭和町の存在をついに確認した、なんて息巻いていたよ」&lt;br /&gt;
「はあ」&lt;br /&gt;
　クリスマスシーズンだというのに、ここみんバーガーはそれらしい商品のひとつもない。よって客足は普段よりも遠退いていた。僕としては楽でいいけど、テンション高めな店長は、微妙に扱いづらかった。</description> 
      <link>http://couch.blog.shinobi.jp/%E3%81%93%E3%81%93%E3%81%BF%E3%82%93%E6%9D%91/%E5%90%89%E5%A0%B1</link> 
    </item>
    <item>
      <title>ここみん霊園</title>
      <description>　あ、こんにちは。え？　あぁ、そうですね、こんばんは。お祭りも終わってしまいましたね。あなたは行かれましたか？　いえ、私は、ずっとここにいましたから。&lt;br/&gt;
　違いますよ、ここで働いてるわけではなくて&amp;hellip;&amp;hellip;時間がよろしければ、ご説明いたしますが。&lt;br/&gt;
　はい、まあ立ち話で申し訳ないですが。&lt;br/&gt;
　私はもともと、この村の出身ではないんですよ。いえ別に、親類や知人が住んでいるわけでも、観光でも旅行でもありません。&lt;br/&gt;
　デジャヴってわかりますか。日本語では既視感、と呼ばれているものです。この村に来る前は、私はずっと既視感に嘖まれていました。&lt;br/&gt;
　毎日毎日、この展開は前にもあった、この光景はもう見たことがある、この瞬間はかつて過ぎたはずだ……そういう感覚に襲われるんです。予知なんてレベルじゃなく、知っているものとして、それまでにはなかったはずの記憶が呼び起こされるんですよ。&lt;br/&gt;
　だっていうのにその既視感は、私が生活するうえで何の役にも立ちはしない。何しろそれは瞬間的な既視感で、何分後にどうなるとか、何時間後にどうなるかなんていう予知的なものじゃないんです。ただ、かつて見たことを知っている。そのことが瞬間的にわかってしまう。断片的に切り取られたデジャヴです。気持ち悪いったらありゃしないですよ。&lt;br/&gt;
　そしていつしか私はこう思うようになったのです。これはきっと、何度も同じ人生を繰り返している私自身への警鐘なのだ、と。&lt;br/&gt;
　見たことがある光景ばかりがよぎるのは、本当に見たことがあるからで、それは私が何度も何度も時を遡り、同じ人生を繰り返しているからだと、そう確信したんですよ。&lt;br/&gt;
　ですが、ここにやってきてぴたりと既視感が止みました。まるで知らない土地。まるで知らない住人。まるで知らない風景。この瞬間は、まだ過ぎていない。そうです。私の繰り返しの人生は、終着地を見つけたのです。&lt;br/&gt;
　それでどうして墓場にいるのかですって？&lt;br/&gt;
　決まってるじゃないですか。ここが私の人生の終着地なのだから、ここに私の墓があって当然です。&lt;br/&gt;
　私はそれを探しに、毎日ここに来ているんですよ。&lt;br/&gt;
　今日こそはきっと、私の墓碑が見つかるに違いないんです。でなければ明日には。そうでないなら明後日に。私は諦めません。ここが終着地なのですから。&lt;br/&gt;
&lt;br/&gt;
　話し終えると、彼はふらふらと闇夜に消えていった。&lt;br type=&quot;_moz&quot; /&gt;</description> 
      <link>http://couch.blog.shinobi.jp/%E3%81%93%E3%81%93%E3%81%BF%E3%82%93%E6%9D%91/%E3%81%93%E3%81%93%E3%81%BF%E3%82%93%E9%9C%8A%E5%9C%92</link> 
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